新型コロナウィルスで変化する小売業

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The reality -現実-

この数週間、コロナウィルスの拡大が原因でさまざまな事業に対し制限が解除され始めています。テキサス州では感染拡大予防ガイドラインを順守することを条件に、美容院や日焼けサロンが営業再開を許可されています。ジョージア州では同様の条件の下、子供たちのサマーキャンプの再開を決めました。今、アメリカ全土で休業とソーシャルディスタンスの要請の終結に期待が寄せられています。その背景には、アメリカ合衆国は新型コロナウィルスに「打ち勝った」とする大統領の発言があります。実際に2020年5月3日から9日の週には、前の週に比べ2,500万も多くの人が外出しています。

ただ、残念ながら新型コロナウィルスのようなパンデミックは、現実には国も、世界もすぐに「通常の日常」に戻れるようなものではありません。実際、2019年末のコロナウィルスが重大な脅威になり始める前のような状態に社会や経済、政治が戻ることは決して期待できないでしょう。韓国やドイツなどのパンデミックを厳しく管理したような国でも、営業再開に対する動きによって新たな感染件数が急増し、その状況を公衆衛生当局が警戒しロックダウンが延長されることになりました。こうした例から「日常」への道のりは数週間どころか少なくとも18か月から24か月かかることがわかります。

 The problem -問題点-

しかし、営業再開と休業の繰り返しで影響があるのは、消費者の需要だけではありません。こうした繰り返しは長期間にわたり世界中で続くと考えられるため、供給にも大きく影響するでしょう。世界各地で休業や経済危機が次々とばらばらの時期に発生した場合、サプライチェーン全体が崩壊し、その結果、供給能力と消費需要のバランスがかみ合わなくなります。

サプライチェーンの崩壊がどのように起こるかは、衣料品のライフサイクルを例に説明することができます。世界のアパレル市場規模は8千億ドル近いといわれていますが、最も消費が大きいのはアジア太平洋地域で、次に西欧、北米と続きます。しかし、衣料品の生産、物流、販売はグローバルに行われています。まず、綿花が二大生産地である中国やインドで栽培されます。栽培には水や肥料が必要ですが、どちらも他の地域から運ばれ、その生産、輸送、維持にもそれぞれ労働者が雇用されています。綿花の栽培後は、さらに別の労働者によって収穫された後、また別の労働者によって繊維に加工されます。その後、世界最大の衣料生産国であるバングラデシュやベトナムに繊維として輸送され、さらに別の労働者によって最終的な衣料品に仕立てられます。そこから、今度は梱包されて、トラック運転手、パイロット、船長、港湾労働者などの手を経て、別の国や地域に輸送されます。目的地到着後は商品の販売のためのマーケティングと小売のための労働者が必要になります。

結論として、コロナウィルスによるロックダウンで衣料品のライフサイクルが中断されると、それがどの段階であっても需要と供給がかみ合わない状態になります。綿の生産地域でロックダウンがあれば、バングラデシュやベトナムといった縫製地域でいくら生産の準備ができていても、工場労働者は必要な材料の供給がないために失業を余儀なくされます。西欧でのロックダウンが原因で消費者が小売店で洋服を買えなければ、サプライヤーは商品が売れず利益を得られません。関わっているすべての人が、失業と不採算の悪循環に陥ってしまいます。

ニューノーマルへの適応

新しい行動様式に適応し長期的に定着させるには、平均2か月から3か月程度しかかかりません。コロナウィルスによる混乱はおそらく18か月から24か月続くと思われ、これから2年の間に起こる行動様式の変化は恒久的なものになるでしょう。消費者の買い物や店員との交流のあり方が以前の状態に戻ることはまずないでしょうし、小売業者の利益が出るだけの日常への復帰はそう早くは実現しないでしょう。

消費者はインターネットにその購買力をすでにシフトしており、小売業者も生き残るためにはこの変化に適応するしかありません。ネット販売に対応し、より良い需要予測の方法を取り入れられていない小売業者は、すでにそれらに対応した小売業者との競争に苦しんでいます。これからも古い手法に頼り続けるかぎり問題は大きくなるばかりでしょう。

では企業は、新型コロナウィルスのもたらした新たな消費行動様式や、まったく異なる需給パターンに、どう対応していけば良いのでしょうか。

答えはAIソリューションにあります。小売形態から環境汚染のレベルに至るまであらゆるものに及んだコロナウィルスの影響の範囲と規模に困惑する人間とは違い、人工知能は、急速な変化を傍観する私たちをしり目に、機械学習を使用し、絶えず変化するデータを瞬時に取り入れ正確な予測をしてくれます。サプライチェーンの需要予測アルゴリズムには、これまで企業が無視してきた新しいタイプのデータを考慮する必要があります。典型的なサプライチェーンの需要予測が小売業者からの取引データのみに依存していたのに対し、サプライチェーンが不安定になった現在の状況では、商品のカテゴリーごとにモデルを構築する必要があります。そうすることで、変化する需要や、需要の順応性を把握し、またロックダウンや生産の変化を考慮したリードタイムの変化をも把握できるようになります。

AIによって、出荷日数を大きく短縮することも可能になります。これは大多数の顧客が直接小売店で買うのでなく、商品配達を利用する状況では重要な対応になります。ウォルマートは、商品の品ぞろえのランク付けにAIソリューションをどう利用するかを示してくれた企業のひとつです。最も需要の高いアイテムをすぐに宅配できるようにしましたが、これはアマゾンのような小売業者のおかげで当たり前になってきています。

小売業界を取り巻く環境が永続的に変化し、それに付随して小売に関わる顧客の行動様式が恒久的に変化するなか、企業はこの難局を切り抜けるため最新のAIソリューションを導入しなければならないでしょう。国内でも商品の購入と販売の方法に大きな変化があり、世界中でサプライチェーンが絶え間なく混乱している現代だからこそ、人工知能は、正確な予測と、ビジネス、ひいては経済を持ちこたえさせる重要な対応を行うための唯一の手段となるかもしれません。 

※本記事は2020/5/16時点のものです

出典:https://www.crowdanalytix.com/how-coronavirus-will-reshape-retail/
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